メンバーズBlog - さんのエントリ
【16】ドラえもんザック>南アルプス物語
■ 07:40 北岳登頂
『ウオーーーーーーーっ!人がいっぱい』
これが最初の感想
青い空と白い稜線とポッカリ浮かぶ雲
北岳の北西が仙丈ケ岳
上の写真の稜線の右側
北岳の北が甲斐駒ケ岳
上の写真の奥にぼやけた山が甲斐駒
そして御褒美の山頂珈琲&デザートナッツチーズ
1日目の夜は自分だけリタイアしたらイヤヤなぁと思ってたけど
ほんまによう来れたわな
天気の味方もあるやろうし、このメンツだから来れたってものあるやろね。
Rちゃんが『I藤サンのザックの重さを実感してみたい』と担いでみた。
『重いっ!』
『たぶん10数kgしかないんじゃないかな?最初は20kgぐらいあったかもね。』
担いだザックのウエストベルトを締めようとしたRちゃん
( ̄□ ̄;)ガーン『し、締まらん!』
『ぷっ!( ̄∀ ̄)』
I藤サンとRちゃんの腰まわりの差が歴然と目でみてしまった!
ぎゃはははは!
きっと、ウチなら締まるはず!とチャレンジさせてもらったが、
( ̄□ ̄;)ガーン『し、締まらん!』
『よかったぁ』と仲間意識たっぷりで笑うRちゃん
I藤サンのザックはドラえもんポケットのようになんでも入っていて、
いろんなものが出てきた。
ウチも慣らしていけば、そのうち15kgなら軽いと言えるんかな?
生まれたての息子が重くて辛かったが、いつの間にか平気になったように。
ウチの今のザックは30Lで構造上、12kg程度が限界だと思う
前に14kg弱を背負って試しに裏山を疾走してみたら肩も腰にも負担が重くて痛くなった。
今度は40Lザックに15kg入れて歩けるか試してみよっと。
山頂では50Lザックをパンパンにした20代男女がキャピキャピはしゃいでいた。
イマドキのワンルームマンション山行パーティか…
ウチはまだまだ担げないから仲間と分かち合うスタイルやな。
■ 08:25 北岳山頂 発
急坂でゴツゴツした岩陵の登山道を一気に下る
あんなに足が辛かった昨日はウソみたい
マップタイムの半分で小屋に到着
■ 08:45 北岳肩ノ小屋(3000m)
標高差200mを20分だから、いかに早いかってことやんね。
北岳山荘の屋根は“赤”
北岳肩ノ小屋の屋根は“青”
布団に下着まで干してある(^▽^;)ってことは今日は当分、天気は崩れない。
■---------------------------------->続く【16】
【15】パーティ>南アルプス物語
朝飯\(≧▽≦)/
マルちゃんのワンタンにカットワカメとシャブ餅とミョウガ入り
やっと目が覚めてきた。
とりあえず、テント内のものを片付けるが、雨は止みそうにない。
北岳山頂(3193m)と下山とで5時間40分のマップタイム
山荘からは約300mほど登らんとアカン。
はぁ…その登りがイヤヤ
牛歩で移動しても14時台に下山できればええやろ
時間には余裕があるし、テント撤収は雨の中でやりたくない。
しばらく様子をみていたら、『あ、太陽がでてきた』と話し声が外から聞こえた。
『ほんまかいな?』とテントの窓から外を覗くと、ほんまに出てるやん。
そして、みるみるうちに青空が広がった。
『なんか、臨機応変に対応できる、いいチーム構成やね』
リーダー格のI藤サンに体力差があまりないRちゃんとウチだから
状況判断がしやすくまとまりがいい。
これが大人数だったり、体力差があるとパーティが割れたり
意見がわかれたり、まとめるのが大変やろね。
■ 06:30 北岳山荘 発
道標についているQRコード
北岳山荘でテン場を申し込むときに、
“QRコードに気がつきましたか?”と書かれたアンケートをみてはじめて気がついた。
これにアクセスしてみると・・・
現在地マップと山の情報が入ったモバイルサイトにアクセスする。
ただ・・・・電波が入らないと意味がないのと、電池を節約したいから
ほんまに困ったときじゃないと、わざわざ写メなんぞ撮らんわなー
んでも、逆に、これがある場所は電波が入る場所って思ってええんかな?
前方を見るとウンザリするような頂がそびえてる。
『止まらなければ着く』それしか考えられない。
そう思わんとやってられん(;´ω`)
でも、横を見るとRちゃんご待望の雲海
そして、西側にブロッケン
岩ヒバリの子供がなかなか飛び立てずに目の前でピーピー鳴いている。
こんどは東側に富士山
デターーーーーーーっ\(^^\)三(/ ^^)/
雨に降られないどころか、晴れるわ、富士山は見えるわ、
なんちゅー!都合のええ山行なんやろなぁ
気がついたら、心配したほど足は辛くない。
普通に心臓がバクバクするだけ。
3日間の縦走よりもハードな山行やから、どうなることやろ?と思ったが
辛いはずであろう最終日に驚異的回復をみせた。
驚異的な睡眠時間のおかげかな?
さて、北岳は富士山なみの渋滞登山やと聞いてきたけど、
山頂間近になってやっと人が多くなってきた。
岩が多くザレてくると必ずある落石
『ラクーーー!ラクラクッ!!!』
『ああ、やっぱりな』
老人10人ぐらいのパーティがウチらのほうに下山する上部でやってくれた。
あげくの果てに人数が多いほうが勝ちやと思ってんやろか?
コチラは登り、
アチラは下り
間にブイブイと割り込んできた。
エーーーーーーーーッ( ̄□ ̄;)
ギョウレツ ダイスキ ニッポンジン キライ
■---------------------------------->続く【16】
【14】蜜の味北岳>南アルプス物語
北岳の骨のような白い梯子をすりぬけて山荘に到着
■ 13:35 北岳山荘 着
テン場についたら、イチバンにビール!にしたいのは山々やけど
天気が崩れそうな気配に、まずはテント設営
山荘で受付をして、生ビールを注文
昨日はI藤サンにゴチしてもらったが、
今日は負荷とリードの感謝の気持ちを込めてウチのおごりデス
そして、北岳草は見てないけど北岳草の山バッジ500円で購入
今まで、バンダナを買っていたがバッジのほうが安いしな
ウチも額に入れて飾ってみたい(^ε^)♪
小屋からジョッキにはいった生ビールを持ってテン場まで歩く間に
うらやましそうな山屋たちの視線がいいね!
この小さな贅沢が極上の幸せの一杯なのデス。
『プッハーーーーーーっ』
昨夜、残したベーコンを網で炙り香ばしい香りを辺りに漂わせながらの宴会
『たまらんっすな!』
--------------------
夜 ワンカップおやつラーメンとカットワカメ入り
チーズ、サラミ、クラッカー、おつまみ
ベーコン残り
酒
--------------------
夕焼けや満天の星は期待できないどころか、雨がポツポツと降ってきた。
テントへ撤収し、宴会の続き\(≧▽≦)/
ラーメンが食べたいってことで、おやつラーメンを食べたら
お腹も落ち着いて眠気が(-。-)y-゜゜゜
『ちょっと仮眠してから夜ご飯を食べよう』
『うん、こんな時間に寝たら22時ぐらいに目がさめて寝られんようになるわ』
『明日はご来光が見たいから午前3時に起きて4時ぐらいに撤収やね』
昼寝前にテントの外へ悲鳴が漏れるようなマッサージタイムが始まり始まり
『ヒィィィィイイイッ!』
『イタイっ!イタイっ!』
なんのプレイやねんっ!昨日は痛くなかったのに、今日は痛いぞ!
自分のときは痛くってキーキー言うのに、他人が騒いでると爆笑してしまう。
他人の不幸は蜜の味がするのです。
山で自分より先に誰かがバテると気分がラクになるってことと同じですね。
雨足は段々強くなり『夜食を食べたい』って言ったI藤サンを筆頭に
全員、その場で朝まで朽ちてしまった…確か、16時-17時ごろ?
( ̄o ̄)Zzzz
『ピピピピピッ』
念のためにかけておいたアラームが午前3時に鳴るが
テントに打つ雨音は鳴り止まない。
『ご来光は拝めない』と即、シェラフにリターンするI藤サン
『そうやんな』と、ウチらもシェラフリターン
朝方の二度寝は気持ちいい
すでに朝仕度をしているテン場周りの話し声で目が覚め、ノソノソと起きる
しゃーねーな(;´ω`)
『あうっ( ̄□ ̄;)ふとももパンパン』
このあと、どんな風に歩けるか不安…
ウチよりもRちゃんのほうが疲れてたらええのに( ̄∀ ̄)
他人の不幸はやっぱりオイシイのです。
■---------------------------------->続く【15】
【13】見る>南アルプス物語
休憩を大量にとってるからタイムロスが多けど
実際はマップタイムぐらいで歩いてるんとちゃうかな。
本のマップタイム=老人タイムって考えるとちょっと悔しいな(>_<)
葉が赤く染まる日を待つナナカマドを横目に
ブルーベリーの実をついばみながらノロノロと登る
長い長い梯子を幾多も乗り越える。
北岳のパッドレスがその全貌を一瞬あらわにした!と思ったら
サっとガスの中に埋もれていった。
ほどなく、八本歯のコルに到着
■ 12:00 八本歯のコル
八本歯のコルは、キレットまで深くはないが
歯が八本ぐらいギザギザに切れ込んでるからついた名称らしい。
『へーーーー!』
またもや、ここでたっぷり休憩
自分達に直射日光が降り注ぐことは少ないが、雲の間から見える青空がいいね♪
低い雲の量が多くって、今回見たかったどこまでも続くよ!稜線の向こうが見えない。
でも、そのかわり雷雲は発生しそうにない。
時折、サーーーーっとガスが引いて見晴るかす景色が愛おしいね。
何もかもが一瞬でしか見ることができない。
ふと、ボーコン沢ノ頭の方面の尾根になにやら動くものが…
しかも、四つんばい
え?梯子を登る自分の姿かいっ?
『ぎゃははははは!サルや!猿が山を登ってる!
\(≧▽≦)/スゲーっ!』
なんだか、すごく得したもんを見た気分
得した気分と言えば、“どや顔メール”を山岳会に送り付けようと
電波の届く場所をさがしてたんや!
広河原では電波がNGやったけど、八本歯のコルはバリ3
まずは家族に安心メール
家のほうでは警報がでるぐらいの大雨だったみたい。
次ぎに山岳会に“オベリスク登頂と天気最高どや顔メール”(^ε^)♪
いつまでもここでまったりしていたいぐらい心地がいいが…
さぁ、ここから北岳山荘まで1時間ちょっと
行くでぇ!
休み休み登ってる間にカッチカチパンパンの太腿がほぐれてきた…かも
普通の土の登山道を歩くよりも岩場のほうがラク
なんとなく、調子があがってきたで!
お疲れさん度は間違いなくアップしてるはずやのに
自分でもドコに隠してるんかわからんけど
ちゃんと使えるパワー貯金をヘソクリ持ってるみたいね。
“ウチって強い”と密かにほくそ笑む( ̄∀ ̄)
すっかりセルフリハビリを終えたころにトラバースルートとなる。
山の腹に梯子をかけた楽しいホネ骨ルート
『北岳草ってもしかして残ってない?』Rちゃんが淡い期待を持つが
『ないない!葉っぱすらも枯れてない』とI藤サン
ふと見上げると真っ青なソラ
北岳草が咲いていた斜面は一面の緑に被われ、トリカブトが占領していた。
“ここにしか咲かない花”by コブクロ
そう思うと見てみたいもんやけど、どうも、花にはあまり興味がないなぁ
自分で育てたオクラの花のほうが可愛い(美味しいもんね)
写真は好きやな。
その一瞬を創造するって言う意味で。
ウチはそこにあるものを愛でるより、ないものをあるものにするほうが好き
つまり、与えられるものに興味はないのです。はい。
誰か脇役か、主役か?
受動的か、能動的か?
だからこそ山が面白い。
■---------------------------------->続く【14】
【12】牛歩>南アルプス物語
今日はタイムを気にせず、間ノ岳は諦めて、
ユックリと踏みしめて登るスタイルとした。
疲れた足を引きずり、重いザックをもって広河原を発つ。
■ 06:30 広河原 発
地蔵岳の傾斜のことを思うと、なんちゅーゆるい登りなんや!
でも、今のウチにとっては、これでもキツイ
いつもならチャキチャキに登れるんやろうに、足取りも重く
後から来る登山者にドンドン抜かれる。
重いのは足取りだけで、息があがらないから口は軽い!ヒヒヒ( ̄∀ ̄)
二俣(左俣コース)はマイナスイオンたっぷりの沢沿いを登っていく
登山道はところどころ水が流れていたり、浅瀬の渡渉があったりする。
ゆっくり歩いてるもんやから写真撮りまくり(^^♪
疲れてるのは足だけで気分は上々
北岳に登りつめて通算183回目の名物オジサンにも遭遇
たまたまRちゃんが持っていた本にも載っている有名人や
あとで確認したら、なんと!76歳やって
凄過ぎる!((( ;゜Д゜)))ウチのオカンより年上やん
北岳の全貌はなかなか見せてはくれないが、空は青いし空気は美味い!
対面には昨日登った白鳳峠が見える。
しかも水も美味い
南アルプスの天然水は飲み放題。
たくさん飲んでも、南アルプスは森林限界が高いから隠れられる茂みがたくさんあって安心
沢水で顔は洗うは、タオルも洗うわ、活用しまくり。
いっそのこと水行したかったわ。
いつもはアクエリアスをセーブしながら飲んでるけど、
今日は遠慮なくガバガバと水を飲む。
※沢でオシッコじゃないよー!
それにしても、今回は固形物が喉を通る。
いつも、食べたくなくてもシャリバテしないために食べるようにしていた。
もしかして、アクエリアスじゃなく水を飲んでるから?
アクエリアスが甘すぎて血糖値があがって空腹を感じへんかったんやろうか?
今後の実験課題である。
※雪渓の下を流れる冷え冷えの沢水をI藤サンが汲んできてくれました。
牛歩ペースやけど、そのぶん、沢でまったりと休憩して
ゆっくりとした山歩きが楽しめた。
これもひとつの楽しい山スタイルですね。
いよいよ、梯子オンパレードのルートとなる。
その前に渋みと酸味と甘みがミックスされた野ブルーベリーを採って食べ
パワーアップ!!!!は…できなかった_| ̄|○
気力はあるのに足があがらん
バテてないし、めっちゃ元気やのに太腿が重いぞ!
登りの梯子ぐらい、普段ならバランス保持のため手すりに手を添える程度やのに
牛のように四つんばいか、手すりにガッツリもたれかからないと登れない。
いやーーーーん(;´Д`)まさしく牛歩
間ノ岳まで行く予定どころか、明日の北岳登頂だってどうなることやら
I藤サン『さぁ、あとすこしで八本歯のコル』
ウチ『うーーーん(-_-;)この牛歩スタイルやと、あと少しとは言えんわ』
カラ元気をみせてるけど・・・ほんまはヘロヘロ
■---------------------------------->続く【13】
【11】ツタンカーメン発見>南アルプス物語
テントに入り、ホっと落ち着く。
靴下のニオイをかいで『オエッ』となる(爆
水場があるから、顔を洗って腕の上部まで洗い、足も洗った。
頭も水をかけて洗おうかと思ったら
小屋のオニーサンが外にでてきたから、さすがにやめた(^▽^;)
こんなんやから『オッサン』とか『アニキ』とか、良くて『アネゴ』と言われるのだ。
お楽しみの夕飯宴会
すでに酔っ払いながらチマチマと作って、語りながら食うのが好き。
■今夜のメニューは
自家製冷凍お好み焼き200g(コッヘルにアルミを敷いて蒸し焼き)
自家製ベーコン250g
酒
チーズやおつまみ系
初日はデポだったから重いお好み焼きを家で焼いて冷凍してから持って来た。
ベーコンもお好み焼きの上において一緒に蒸して食べたら激美味っ!
もっといろいろしゃべって、呑んで…のつもりが
前日の寝不足のおかげで、あっと言う間に撃沈( ̄o ̄)Zzzz
1.2.3.ダーーーーっ!
猪木にフォールされるよりも早く寝たのがI藤サン
今回の山行は
“まだ山でテント泊&マイシェラフを使ったことがない”
Rちゃん待望の企画がふってわいたようなもの。
天気がよければ、Rちゃんは槍ヶ岳の小屋泊となっていた。
『き、き、記念写真を撮りたい!』
彼女にとっては記念すべき初夜だったのです(爆
初テント&初シェラフデビューの記念写真を撮る
シェラフに包まれて目だけ出したミイラのようなツタンカーメンRちゃん
寝る前には北斗七星も見えたのに真夜中は雨の音がテントに響き渡った。
たっぷり寝た翌日は青い空と低い雲
■朝食
味噌汁(しゃぶ餅とミョウガ入り)
朝バナナ
お金で済むならちょっとでも荷物を軽くしていこうと、広河原の小屋に
登攀道具やRちゃんが持っていた余分な荷物、ゴミなどを預けた。
たしか300円ぐらいで預かってくれるのだ。
今日の目指す先は北岳山荘
登山道は沢沿いとなり水の心配はいらないが
心配なのは地蔵岳ピストンで蓄積した疲労と筋肉痛
太腿がパンパンに張っている。
ウチだけじゃなく、Rちゃんも太腿パンパンだって!
仲間が居るっていいねー( ̄▽ ̄;) フフフ
ウチら陽気なパンパン娘
地蔵岳から降りてきた夜はI家の食卓ならぬI藤さんのマッサージタイム
『金とるん?』と聞いて見た。
できれば『1億円となります。お支払いはどうされます?』とツッコンで欲しかった。
マッサージはケツや太腿のツボを膝で踏まれて『イデデデ』
“もうしんどいから北岳はやめて温泉三昧でもしようって誰か言わへんかな”
なんて密かに期待はしたが…やっぱり登るのね(^▽^;)北岳に
あらためて縦走って大変やなぁと身に染みて思う夜と翌朝でした。
縦走って言ったら、山の登りきって稜線を渡り鳥のごとく歩くってイメージ
ウチらみたいに、対面の両山を制覇するアホみたいな登り方はまずせえへんやろね。
山行計画を山と高原地図だけをみて机上で計算してしまったり
エスケープ案を考えてなかったり
そう言うのんって、ほんとに良くないよなぁと改めて思った。
体調も天気も含めて、山じゃ何一つ思い通りにはならないのだ。
想定していても想定外のことがある。
余裕で行けると思ったはずの地蔵岳が思いのほかしんどかったのです。
■---------------------------------->続く【12】
【10】極上の一杯のために>南アルプス物語
シトシト雨が降り始めた。
天気予報通りか。
このまま降り続くのか?と思いカッパを着たら晴れてきた。
どーゆーこと?
自称“晴れ男”のI藤さんのパワーらしいわ。
“晴れ男”からもらった青梅と青空のコラボを味わいつつ
カッパを脱いで先を急ぐ。
ミストのような雨がほてった体を気持ちよく冷やしてくれた。
■ 14:45 高嶺山 着
全体的に薄いガスが流れていて雲も低くて雷雲の発生しそうな環境ではない
でも、何があるか分からんし、雨がドカっと降る前に樹林帯に入りたい。
傾斜のゆるい上部のゴーロはハイマツがひろがり、
雷鳥が食い散らかしたハイマツの実が山積みになっていた。
まだ目の前の山に登らなきゃいけない、辛抱や!と思ってガッツを入れなおしたら
見覚えのある白鳳峠に辿りついた。
『やったー!これで、あとは下りだけや!めっちゃウレシイやん』
白鳳峠から下はキツイ傾斜のゴーロ
リズムよくトントントンと駆け下りる。
ウチはクダリスト
※クダリストとは下山が得意な山屋さんのこと。多分、絶対、造語
ストックの使い方もすっかり板について、なくてはならない相棒となった。
ストックのおかげでバランスに安定感が増し、転倒防止に踏ん張らなくてもよくなった。
今までは『ストックなんか邪魔!荷物になる』って豪語してたのが
一気に推奨派に寝返った。
しらびその樹林帯に入ると濡れた梯子や橋を渡り、ガツガツと降りる
『早月尾根の日帰りピストンのほうがラクだった』とRちゃん
確かに、それぐらい厳しいルートや
何て言っても整備の具合が違うし、急登部分の距離も違うように思えた。
ただ、ウチは『地蔵岳のほうがラク』やと思った。
『あの時は自分のペースで下りられない&時間疲労&精神的荷物が重かったからねー』
沢の音は早くから聞こえども、なかなか下山口には到達しない。
『もう、水を飲むのは控えよう』とビールの美味さアップをもくろむI藤サン
『ビール!ビール!生ビール』と、ウチも水分を控えた。
ほどなくして、アスファルトが目に入った。
『キタ━━(゜∀゜)━━!!!! 人里&人間のニオイ』
テンションUP↑UP↑スキップで登山口に到達&ハイタッチ
■ 17:40 広河原着
いの一番に小屋で生ビールを注文し
オベリスク登頂と無事下山を祝って
『カンパーーーーーーーイイ』
ゴキュゴキュ呑むといっきに酔いが回ってグルグル最高
■---------------------------------->続く【11】
【1】山探し
【2】まったくどーすんの?
【3】問題の大安売り
【4】天然ブリの開き
【5】鬼坂
【6】上々下々
【7】さぁ、どうする?
【8】頭で攀じれ!オベリスク
【9】登ったら下りる
【10】極上の一杯のために
【9】登ったら下りる>南アルプス物語
いきなり初実践クライミングだったI藤さんの腕は擦り傷だらけ(;´Д`)
足場のない90度のコーナーを登山靴のビムラムソールと手だけでは不安定やのに
よう登れたと思うわ。
『3人で記念撮影したいね!』
でも、カメラを安定して確保するものがないし、他の登山者は誰もあがってこない。
それぞれパチリと順番コに撮影
変身しそうなウチ
『へーーーーーんしんっ!』
『とおっ!』
Rちゃんの満足げな表情がカワイイ♪
さて、次なる難関は登るよりも降りるときの最初の1歩
これさえクリアすれば、大したチカラやテクをつかわなくても下りられる。
何が怖いか?って、最初の1歩は下降器とロープの間に遊びができてしまい、
テンションをかけずに下り始めるのんってメッチャ怖い。
そのために、捨てスリングを使い、安定した場所に降りるまで
ウチが上からテンションを掛け続ける。
最後にウチが降りるときは、スリングをボルトにつなげて、捨てていった。
残留スリングに命をかけるのはさすがに怖い。
核心部のイチバン下まで降り、チムニーのトンネルになっている場所をくぐると
オベリスクの裏にでた。
なるほど!WEB情報にあった“裏からまわれ!”って、このことか!
ややこしい岩場を登らなくても、裏から回ると簡単に核心部分の取り付きにまで出るのだ。
振り返ると青空にオベリスク
なかなか、気分爽快でございます(ノ´▽`)ノ
時間を忘れて遊んじゃいました。
登ってきたら、下山する。
そんな気持ちはついさっきまで吹っ飛んでいた。
気がついたら、けっこうな時間が経っている。
『おわーーーーっ!さっさと下山しなきゃ』
天気予報は15時から雨
雷雲は出てないにしても、やっぱ雨には打たれたくないもんな。
■ 13:50 地蔵岳 発
下りはマップタイムで3時間45分
遠いなぁ(;´ω`)
下りと言うより、帰り道なのに登りから始まるのがこの上なくイヤ
あぁ、足が重いっ!
地蔵岳と高嶺山は標高差があんまりないくせにアップダウンがある
騙されたような気分やで!まったく
今から目の前に見える高嶺山を越えて下山ってのが辛いわ。
■---------------------------------->続く【10】
【1】山探し
【2】まったくどーすんの?
【3】問題の大安売り
【4】天然ブリの開き
【5】鬼坂
【6】上々下々
【7】さぁ、どうする?
【8】頭で攀じれ!
【9】登ったら下りる
【8】頭で攀じれ!オベリスク>南アルプス物語
最低限の道具を最大限に活用する
実のところ、こういったことに頭を使うのが好きなのです。
まずはハーネスの代わりにスリングを肩から幼稚園バッグのように斜めにかけて
8の字にねじって反対側の首と肩へかけると不思議なたすきがけの出来上がり。
胸の前中心にビナをつけ、残留ロープとアッセンダーを設置する。
これで、ロープに大きなテンションさえかけなければ最低限の確保はできる。
何本(5本以上)もブラさがった残留ロープに頼って登る人も居るかもしれんけど
さすがにヤバイでしょ。
二人は確保できたとしても、ウチのぶんの道具がないっ!(>_<)
岩のグレードはようわからんけど、
クラックにジャムが効けばフリーで登れる
でも、いやや。
何本もブラさがった残留ロープがクラックをふさいでしまって
ロープをどかしてジャムをはめなきゃアカン
めっちゃ手間取るし(-_-;)
で、どうやったかと言うと、アッセンダーのかわりに
持ってきた8mmロープで残留ロープにつけてブルージックをすることにした。
どっちにしろ、テンションかけずに登るつもりではあるが、何が起こるかわからんもんね。
と、えらそうなことを言いつつ…
実は、ジャムをせずに片手はロープを使わせてもらいました。
お手本登りが必要でしたから( ̄∀ ̄)
花崗岩はザリザリつるつるで本来ならクラックしかホールドのない
グレードの高い岩、オベリスクなのに
片手片足部分は人工的に岩を削ってあるとこに置くことができます。
人工的ってどうよ!?と思うけど
まぁ、ロープがダラダラとブラさがってるんやからね。
なんでもアリなんでしょうね。
※つっぱって休憩中
それでも、久々の岩登り!楽しかった(ノ´▽`)ノ
次ぎにRちゃん満面の笑みでクリア
※本人談によると、躊躇してたらしい。
上でセルフビレイをしたのち、アッセンダーを外して安全な場所に移動
最後にI藤さん
腕力だけで登ってくるだろうと思ったら、最後のひと登りのところで
アッセンダーをあげすぎてしまって岩の上に乗りあがれきれない。
(ウチがもうちょっと早くストップかけれてばヨカッタ)
これは、経験した人ならようわかると思うけど、ほんまに動かれへんねん。
しかも足場もなくなるし、岩の角にくの字になって上半身が乗ってるだけのようなもの。
こりゃ、マントルしてもらうしかねーな
※マントル
壁の頂上にはい上がる動き。手のひらで頂上をパーミングしながら、足で上っていき、
上半身が壁の上にきたくらいで、ハイステップの要領で立ち上がる
Rちゃんのときと同じく、上からセルフビレイをとり、
お腹の下になったアッセンダーをはずし
ロープをつかみつつ、腕立ての要領でグイグイっとあがってもらう。
普段から鍛えてて100回ぐらい腕立てできそうなI藤サンやから出来たんやと思う。
フッヒーーーーっ!!!!ε=(´∀`A)フゥ〜〜 d
見事、3名でオベリスク登頂成功
■---------------------------------->続く【9】登ったら下りる
【1】山探し
【2】まったくどーすんの?
【3】問題の大安売り
【4】天然ブリの開き
【5】鬼坂
【6】上々下々
【7】さぁ、どうする?
【8】頭で攀じれ!
【9】登ったら下りる
オベリスクの上から下界を望む
【7】さぁ、どうする?>南アルプス物語
■ 11:35 地蔵岳(2764m)着
そして目の前にそびえるは本日のメインイベント
オベリスク
ウチらの到着を待ってか?
ガスが晴れてきてオベリスクの全容があきらかになる\(≧▽≦)/
イメージしていたよりも、けっこう大きい
遠くから見るとウワサ通りのチューリップスタイル
手乗りオベリスクポーズを撮ってみる。
荷物をデボして登攀道具だけボディにかける。
ザラザラの花崗岩をヨジヨジと核心部の手前まで登る。
ネットでチェックしたら、裏に回れって書いてあったから
グルっと覗いてみるが、登りやすそうなとこはドコにもない。
うーーーーーん?
前にまわって核心部の前でトップを見上げる。
岩の状態は瑞浪の秀則のような約90度のコーナーで高さが4-5mぐらいかなー?
コーナーがクラックになっているから、そこに手を入れて
ジャムジャム忍者登りするのが正解だろう。
でも、それは安全を確保してが前提
もとより、キケンなことはするつもりもないし、
3人でオベリスクの上に立ちたい気持ちがイチバン優先
さぁ、困ったのが道具とメンツ
クライミングができるI部クンが来なかったおかげで、
ウチひとりで二人をサポートしなくてはならない。
しかも、できる限り道具はナシで。
■ 登攀道具 ■ 重さ910g
・スリング240cm×3本
・捨てスリング×3本
・8mm×50cmロープ×1本
・アッセンダー2つ
・ATCを1つ
・エイト環を1つ
・ビナ3つ
頼りになるビレイヤーがいない状態なのに、頼りになる道具の
ハーネス、ザイル、フレンズを持って行きたくなかった。
あるのはヨレた残留ロープのみ
さぁ、どうする!!!???
I藤さんはクライミングをやっていなくても、腕力脚力運動神経がある。
Rちゃんは外岩で特訓済み。でも花崗岩の垂直を登るのは相当難しい。
アッセンダーと下降器(ATC・エイト環)を貸してしまうと、
ウチはフリークライムとなる。
さぁ、どうする!!!???
■---------------------------------->続く【8】頭で攀じれ!
【1】山探し
【2】まったくどーすんの?
【3】問題の大安売り
【4】天然ブリの開き
【5】鬼坂
【6】上々下々
【7】さぁ、どうする?
【8】頭で攀じれ!